展示のない美術館

女性：

美術館のような白亜の美しい建物です。

凹凸のない壁と廊下があります。

しかし、絵が展示されずに壁の中に隠されています。

美術館ですから、この絵を所有していることは公言していますが、絵が展示されていないことは、来館者が少ないため、あまり知られていません。

すぐにしまい込むクセがあるようです。

「その絵を所有しています」と言って人を呼んで、絵を見せない、ということが起きています。

人々には、「いまはこの絵は展示していません」「今のあなたに必要なこと以外はお話しません」と隠していることを認める必要があります。

または、ゴッホの「寝室」や「ひまわり」の絵のように贋作か本物か、本人による模写か、他人が手を加えたのか、などの真偽が問われる名作がありますが、「贋作かもしれません」として展示する美術館としての義務のようなもの、態度が必要です。

棺桶のような箱も置かれています。

自分自身か、または屍が隠されているのかもしれません。